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実績紹介

総合志援

D社(紙器製造業)

2013年03月16日

志援テーマ:課題に地道に取り組んで、着実に業績向上に結び付ける

 

☆支援先企業の基本情報

地域:栃木県県北部

①業種:紙器製造業

②事業概要:高級貼箱

③規模:7名、年商6千万円

④志援テーマ:課題に地道に取り組んで、着実に業績向上に結び付ける

 

D社の概要

 

D社は、板紙やダンボールを裁断して紙箱を製造販売しています。なかでも箱の表面に紙を貼って見栄えをきれいにした「貼り箱」は、和・洋菓子を中心に商品に高級感を持たせるものとして、商品に付加価値を加えたいメーカーから重宝されています。

 

D社は現代表の父が昭和40年代に創業しました。高度経済成長時代の波に乗り、地元の菓子店や周辺の観光地の菓子店を次々に開拓し、その後包装紙等の卸売にも商材範囲を広げ、この地域では最も規模の大きな紙器店に成長しました。

 

棲み分けが進む紙器業界

 

現在の紙器業界は「棲み分け」が進んでいます。需要規模が大きい、段ボールに印刷を施した定型タイプの規格品は、連続生産が容易であるため、少数のメーカーが大型機械で大量生産し、価格も安く提供しています。主要メーカーは岐阜県で製造し全国に配送していますが、運賃込みの価格でも消費地の地元メーカーでは太刀打ちできません。そして、それ以外の「非定型」「小ロット」「貼り箱」等の領域は、大手メーカーにとっては需要が小さく、機械による量産効果を出せず参入しないため、地元の中小紙器メーカーが対応しています

 

D社が抱えていた問題点

 

現在の代表であるS氏が父から事業を承継したのは平成16年でした。当時はバブル経済崩壊の影響が深刻さを増している最中で、先行き不透明感から消費者心理の冷え込みが進行する状況でした。

消費者の財布のひもが次第にきつくなる中で、必需品とはいえないお菓子の需要は次第に減少し、当社の取引先である菓子店にも影響が出たのか、箱の注文が減る得意先の数が少しずつ増えていきました。

これとは別にD社には、構造的ともいえる問題点がありました。それは、D社の主要顧客が観光地に立地し、観光客相手のみやげもの菓子を主体にしているため、オフシーズンとなる冬季の販売が極端に落ち込み、D社もその影響を受けて毎年1、2月の売上が極端に減少するという問題点です。

弊社が関与を始めた当初は財務体質がぜい弱で、いつも資金が不足している状態でした。特に売上が落ち込む冬場の資金繰りは厳しく、特に月末はまさに綱渡りをしている心境であったとS氏は振り返っています。

 

~同社の抱えていた問題点~

①「得意先の多くが菓子業に偏っている」「主要得意先が観光客相手の商いをしている」という二つの偏りから生じる事業リスクを減らす。

②冬季の資金繰り困難を改善する。

③低収益性を改善し収益性を高める。

 

☆アドバイス

 

あらゆる角度から収益性を改善する

 

D社の収益性が低い原因の一つは、売上高は上がるものの利幅が小さい商材が多い包装紙卸売部門でした。そこで、利幅が小さい商材を納品している得意先から順に、同業者を紹介するなどして得意先に迷惑がかからないようにしながら、D社としては手を引いていきました。そして、次第に卸売部門を縮小していきました。

次に、新たに仕入れ先を開拓して複数に増やし、取引年数に関係なく、従来より仕入れ価格を安く提供する仕入れ先と取引するように変更しました。

また、販売管理費項目を個別に見直しして、不可欠なもの以外は取りやめ、必要な場合でも同様なサービスならばより安価なものに切り替えました。

こうした工夫を重ねた結果、見た目の売上高は減少しましたが、収益性のほうは従来に比べ10%程度改善しました。

そして、資金の蓄積が進んだことで、結果として、一番苦しかった冬季の資金不足は、目に見える形で改善されました。

 

ホームページを使って“脱地元偏重”を図る

 

得意先のなかに2、3社ほど医療系の部品メーカーがありました。これらの企業では、D社から1個当たり数円で簡易な紙箱を購入し、そこに製造した部品を入れて出荷していました。他の製造業でも同様なニーズがあるのではないかと考えて営業先を検討しましたが、結局新規開拓することはできませんでした。

それならば、営業エリアを広げてみてはどうかいうことで、ホームページを開設することにしました。調べてみると、規格品タイプの紙器を扱っている企業は何社もあるものの、「貼り箱」を扱っているメーカーのホームページはごく少数でした。そこで、D社は、“品物に付加価値をつけたいのなら「貼り箱」をお勧めします”というメッセージを強調したホームページを作成しました。費用はごく少額で素朴なサイトでした。

ところが、アップしてから1月もたたないうちに、関西でブランド小物を扱っている企業から問い合わせメールが入りました。そして、メールやファックスで注文内容の詳細の詰めを行い、先方に試作品を送って確認してもらう過程を経て、正式受注に結び付けました。金額的には数万円の取引でしたが、「脱菓子」「脱地元」が課題のD社にとっては重要な一歩となりました。その後も、ホームページを通しての受注は少しずつ増加しており、現在は継続取引先が数社、売上全体に占める割合は20%に達しています。

 

自社でしか作れない製品をつくる

 

収益性を高める方法にはいくつもの手法がありますが、最も戦略的な方法は、競争がない状態、自社でしか作れないものを作るということです。

すでに述べたとおり、紙器は製品単価が小さいという特徴があります。そのうえ、同じ規格の紙器を2個以上作る場合は、最低でも1、2万円かけて「抜き型」を作らなければなりません。このため、一般に500個を下回る注文は採算割れとなり、引き受けようとする紙器メーカーは現れません。D社も年間何社もある、こうした小口需要の問い合わせをすべて断ってきました。その一方で、「抜き型コスト」の問題が解決すれば、需要を取り込むことができることも分かっていました。

その解決を探索していたD社は、長野県のある同業者がこの問題を技術的に解決し、すでに「小ロット」「個別対応」に絞った経営を実現していること知りました。これだと思ったD社代表のS氏は、だめもとでその同業者に問い合わせをしたところ、幸いなことに、技術導入について全面的に協力いただけることになったのです。

そこで、金融機関に当該機械を導入する事業計画を作成して設備資金を準備し、必要な設備投資を実施しました。

機械の設置は平成23年3月でしたが、それとほぼ同時期に東日本大震災が発生したため、導入初年度年は期待したほどの受注は取れませんでした。しかし、先ごろ、ホームページを通して、ある商社から試供品に使う小ロットの問い合わせが入りました。D社にとってはまさに狙い通りの内容です。受注すれば、また新しい販路が開けることになるでしょう。

 

父から事業を受け継いだ7年前は、自ら機械に向かい月末には資金繰りに苦しんでいたS氏ですが、現在は工場はおおむね社員に任せて、もっぱらパソコンを前に、新たな箱の展開図を作成しています。もちろん、資金繰りに苦しむこともありません。まだまだ課題はありますが、この間の成長を実感されています。



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